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壬生寺 狂言「節分」

 

京都の季節の変わり目の節分に行われる風物詩、壬生寺節分厄除大法会が、壬生寺(京都市中京区坊城仏光寺北入ル)で2月2日~4日行われている。 

同寺の厄除けは、白河天皇の発願によって始められたと伝えられ、京都の裏鬼門(南西)に当たることからも大いに信仰され、全国各地より厄除け参詣される900年以上の歴史をもつものである。

本尊は「延命地蔵菩薩(重要文化財)」で、除災招福を誓願されており、期間中各地より信仰されている。

 

それらのご由緒の中から、2・3日演じられる、壬生狂言「節分」についてである。

 

境内北側にある重要文化財の狂言堂で行われるのは、重要無形民俗文化財にも指定されている壬生狂言三十番のうち、ユーモラスな中にも教訓的な筋書きをもっている、厄除け鬼払いの狂言「節分」が午後1.2.3.4.5.6.7.8時の1日8回、上演される

 

狂言とは、猿楽から発展したもの。滑稽なしぐさで、無言劇で演じられる。

 

あらすじは、

 

【壬生狂言「節分」】

 

 

舞台にはヒイラギに鰯の頭を挿したものが柱につけられている。

後家は豆を奉書に包み拝す。

杖を持った鬼が登場。杖、頭陀袋を置き、しつらう。

赤鬼は足踏み鳴らす。邪魔な鰯を取ってしまう。隠れ蓑に打ち出の小づち。

黒い着物に着替え、手拭いで角を隠して頭巾をつけ、人間に化ける。

打ち出の小づちで着物や帯を出してみます。

酒を後家が小づちで取り出す。

後家はどんどん酒を注いでいき、鬼は泥酔していく。

寝入る鬼。着物を一枚づつはいでいき、打ち出の小づちと隠れ蓑を隠してしまい、気付いた鬼を豆で追い出してしまう。

 

このようにとてもユーモラスな無言劇で、最後には観客も溜飲を下がるのである。

 

(文:佐伯浩道)